中古注文住宅の売却|いくらで売れやすい?競合に勝って高値で売却するには

注文住宅で建てた家を売却すると、だいたいいくらくらいで売れるのでしょうか。間取りや設備など自分や両親がこだわって建てた家ですから、家の価値を正当に評価してもらい高値で売りたいところです。
本記事では中古の注文住宅の平均成約価格から、多くの中古注文住宅が売りに出されている理由、高値で売却するポイントまで徹底解説します。不動産の売買担当経験をもとにしていますので、注文住宅をなるべく高値で売却したい方はぜひ参考にしてください。
中古の注文住宅を売却。いくらで売れやすい?
まず、中古の注文住宅を売却する場合、いくらで売れやすいのか、最近の相場をつかんでおきましょう。
以下は、公益財団法人東日本不動産流通機構の「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」をもとに、直近5年間における首都圏の中古戸建の成約価格をまとめた表です。
西暦(年) | 成約価格(万円) | 土地面積(㎡) | 建物面積(㎡) | 平均築年数(年) |
---|---|---|---|---|
2018 | 3,142 | 145.76 | 105.82 | 21.11 |
2019 | 3,115 | 146.82 | 104.96 | 21.38 |
2020 | 3,110 | 147.99 | 105.24 | 21.62 |
2021 | 3,451 | 143.77 | 104.25 | 21.20 |
2022 | 3,753 | 143.97 | 104.13 | 21.31 |
あくまで中古戸建を一括りにしたデータのため、建売など注文住宅以外も含まれていますが、ひとつの指標として参考にしてください。
表からは、直近5年間で中古戸建の成約価格は上昇していることがわかります。首都圏の不動産市場が全体的に好調であることを考えると、2022年の平均成約価格といまの成約価格もおおよそ同レベルと考えてよいでしょう。
また、補足データとして2022年の1年間における築年数別の中古戸建の成約価格も併せて記載します。
築年数(年) | 成約価格(万円) |
---|---|
築0~5 | 4,821 |
築6~10 | 4,653 |
築11~15 | 4,436 |
築16~20 | 4,024 |
築21~25 | 3,955 |
築26~30 | 3,333 |
築31~ | 2,345 |
中古注文住宅の売却価格を左右する要因
中古戸建の成約価格は、築年数をはじめ複数の要素が重なって決まります。下記で、成約価格がどのように決まるのか詳しく説明しますので、自分の家と照らし合わせて参考にしてください。
間取りや広さ
中古だけでなく、戸建住宅において間取りや建物の広さは重要なポイントであり、成約価格に大きく関係します。特に注文住宅の場合、建てたヒトの好みによって間取りが異なるため、よくも悪くもそこが成約価格に響く可能性は高いです。
また、間取りは時代によって流行が変化します。たとえば、もともと戸建住宅は1階リビングが当たり前でしたが、最近は洗濯物を干す作業との動線を考えて2階リビングの物件が増えてきました。
このように、間取りは流行によって左右されるケースもあるため、周辺の競合物件や過去の成約事例をよくチェックすることが大切です。
建物の仕様や設備
注文住宅は、建物の仕様や設備も物件ごとにばらばらであり、間取りと同じく価格に反映されやすい要素です。
たとえば、共働き世帯が多い現在では、食器洗い乾燥機や浴室乾燥機などの設備が好まれるため、中古物件でついていると価格に大きくプラスされます。中古の注文住宅を探している方は、明確なこだわりこそないものの仕様や設備の充実した家を求めているケースが多いです。
売りたい家が、周辺の競合物件よりも仕様や設備面で優れている場合は、大きくアピールしましょう。
土地の広さや道路づけ
注文住宅は建物だけでなく土地の広さや道路づけも、成約価格に大きく関わってきます。
特に、中古物件の中で注文住宅を狙って探している方は、土地にある程度ゆとりがある物件を求めるケースが多いです。エリアによって求められる土地面積は変わりますが、周辺の競合物件を見て土地面積が平均より広い場合は、アピールポイントになります。
また、土地の広さだけでなく前面道路の幅員や土地の接道距離、敷地内高低差など道路づけも大切なポイントです。土地の形がきれいで道路づけが良好な物件ほど成約価格にプラスとなります。
ライバルはどのくらい?売り出し中の注文住宅の数
売却するときのライバルとなる売り出し中の注文住宅はどれくらいあるのか、また今後どれくらい出てきそうか把握しておくことも大切です。
明確にいま売却中の注文住宅に絞って集計するのは難しいので、以下で2022年度までの15年間に着工された注文住宅の数を表にしてみました。
着工年度(年度) | 注文住宅着工数(万戸) |
---|---|
2008 | 31.9 |
2009 | 28.5 |
2010 | 30.5 |
2011 | 30.6 |
2012 | 31.2 |
2013 | 35.5 |
2014 | 28.5 |
2015 | 28.3 |
2016 | 29.2 |
2017 | 28.4 |
2018 | 28.3 |
2019 | 28.9 |
2020 | 26.1 |
2021 | 28.6 |
2022 | 25.3 |
参考:国土交通省「建築着工 統計調査報 告」令和4年計
※戸数に誤りがないことは、国土交通省へのヒアリング調査で確認済みです。
2008年の注文住宅着工数は31.9万戸でしたが、2022年には25.3万戸まで減少しています。表からは、新築で注文住宅を建てたいというニーズが次第に減っていることがわかるでしょう。
下記では、新築着工数が減少している理由やいま多くの中古注文住宅が売りに出されている理由を事実にもとづいて解説します。
資材高騰に伴い、着工数が減少
ウッドショックや円安の影響で建築資材が高騰したことが着工数の減少に関わっています。ここ数年で建築費用は大きく上昇しており、経済状況を考えても今後しばらく続く可能性が高いです。
今後も予算オーバーにより新築注文住宅はあきらめざるを得ない層が増えてくるでしょう。
土地価格の上昇により新築注文住宅がさらにハードル高に
都心部を中心に土地価格が上がっていることも、新築注文住宅のハードルを上げている要因です。
建築費用に加えて土地価格まで上がってしまうと、ハウスメーカーや建てるエリアによっては、高騰前と比べて数千万円の違いが出るケースもあります。
土地をもともと所有している場合は、建築費用の高騰だけで済みますが、土地探しからの注文住宅を検討している方のハードルは上がっているといえます。
新築注文住宅のハードル高により中古注文の需要が増加
新築注文住宅のハードルが上がっていることで、中古注文住宅の需要は増加しています。新築と比較して費用が抑えられることに加え、注文住宅であれば建物の仕様や設備が充実している物件が多いためです。
土地価格の上昇により中古戸建の価格も上昇しているため、これを機に売却して住み替えを検討する方が増えています。いまであれば高値で売却できる可能性が高いため、戸建の注文住宅に住んでいて住み替えを検討している方にとっては、絶好の売却タイミングといえるでしょう。
競合に勝って注文住宅を高値で売却するポイント6選
いまある競合物件に勝って注文住宅を高値で売却するポイントを紹介します。ライバルを出し抜いて、中古の注文住宅を高値で売却できるようにしましょう。
- 老朽化している部分をリフォームや修繕できれいにしておく
- 強みとなる部分を把握して強く訴求する
- 家の外回りをきれいにしておく
- サイトに載せる写真や動画は晴天の日に
- 閲覧者に伝わりやすい写真や動画の撮り方を
- 売却に強い不動産会社を見極める
老朽化している部分をリフォームや修繕できれいにしておく
費用はかかりますが、築古で老朽化しており、必ずリフォームや修繕が必要になる部分は、売却前にきれいにしておきましょう。買ってからリフォームや修繕が必要なのに高値を出して買おうとは思わないものです。
購入後に費用がかかることがわかりきっている物件は、どこか割高でマイナスの印象を与えてしまいます。希望金額でしっかり売りきりたい方は、懸念点を解消したうえで売却を進めましょう。
強みとなる部分を把握して強く訴求する
注文住宅だけに限ったことではありませんが、物件の強みとなる部分は自分で把握して、売却を依頼する不動産会社に強く訴求しましょう。このとき、重要なのは客観的に見てわかる強みと、住んでいたからこそわかる強みを分けて考えることです。
客観的な強みは、ポータルサイトや販売図面に載せて訴求します。住んでいるからこそわかる強みは、不動産会社が実際に買手に会って交渉する際に訴求してもらいましょう。
家の外回りをきれいにしておく
戸建住宅は、庭など家の外回りをきれいにしておくことも大切です。ポータルサイトに物件を掲載していると気になった方が、不動産会社に住所だけ問い合わせてふらっと見に来ることもあります。
内覧は売主にアポイントを取りますが、外観だけの場合はアポなしで来るケースも多いため、外回りが汚いと印象が悪いです。内覧に備えて家の中だけきれいにする方が多いですが、外観でNGだと内覧まで発展しません。
家を売り出す場合は、必ず外をきれいにしたうえで売却を始めましょう。
サイトに載せる写真や動画は晴天の日に
ポータルサイトに載せる写真や動画は必ず晴天の日に撮ってもらいましょう。
マンションの場合はあまり関係ありませんが、戸建住宅は外観や道路づけも大切なポイントとなるため、内観だけでなく外観も必ず写真を撮ります。晴天の日に写真を撮ってもらうことで写真や動画自体もきれいで雰囲気のよい印象を与えられます。
悪天候時の写真とは比べ物にならないほど違いますので、物件の印象をよくし高く売却するために必ず不動産会社に実践してもらいましょう。
閲覧者に伝わりやすい写真や動画の撮り方を
写真や動画を撮ってもらう際にもうひとつ意識してほしいポイントは、閲覧者に対して何を伝えたいのかが明確に伝わるかどうかです。たとえば、庭の広さをアピールしたい場合に、ただ庭だけを写しても広いかどうかは伝わりません。
そのような場合は、少し距離を取った位置から建物と一緒に写したり、プールや屋外テーブルを設置した状態で写したりすると、庭が広いことを伝えられます。
基本的に写真や動画は不動産会社が撮りますが、得意な方は自分で撮ってもよいでしょう。不動産会社に撮ってもらう場合は、撮った写真を都度確認し満足いかない場合は遠慮せず要望を伝えて撮り直してもらいましょう。
売却に強い不動産会社を見極める
売却に強い不動産会社を選ぶことは、高値で注文住宅を売却するための大切なポイントです。会社選びに妥協してしまい、安易に知り合いの会社や近くの会社に依頼してしまうと、「本来はもっと高く売れたのに」という事態になりかねません。
不動産会社選びの際には、実績や評判、手数料などを比較検討し、信頼できる会社を選びましょう。また、不動産会社によっては、物件の価値を上げるアドバイスや、リフォームなどの提案を行ってくれる場合もあります。しっかりと会社を見極め、最大限の利益を得るようにしましょう。
注文住宅を高く売るための過程で利用してほしいのが、不動産の一括査定サイト「リビンマッチ」です。住宅情報などを入力すると、一度に最大6社の不動産会社による査定価格がわかります。
査定価格は実際にその金額で売れることを保証した価格ではありませんが、不動産会社がいくらの価値があると判断したかの目安になります。ぜひ複数社の査定価格を確認して、価格の根拠を尋ねてみましょう。根拠を明確に答えられる会社は、信頼できる不動産会社といえます。
また、査定価格だけでなく、不動産会社とのコミュニケーションも重要です。不動産売却は時間がかかる場合がありますので、信頼できる担当者との関係性が良好であることも大切です。査定価格や提案内容などを踏まえたうえで、自分に合った不動産会社を選び、スムーズな高値売却を目指しましょう。
関連記事はありません。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
編集してください:リビンマッチでは不動産売却や賃貸管理、土地活用をはじめとする不動産取引をサポートするサービスを提供しています。また、複雑な不動産取引をわかりやすく解説し、利用者が安心してサービスを利用できるように努めています。不動産取引でわからないこと、不安を感じていることがあれば、ぜひリビンマッチをご利用ください。
コンテンツの引用ルール運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
人気ワード
マンション売却 (133) 戸建て売却 (107) 注意点 (102) アパート/マンション経営 (61) メリットとデメリット (55) 価格 (54) 税金 (52) 不動産会社 (51) 基礎知識 (50) コツ (49) 相続 (47) 土地売却 (44) ローン (42) 費用 (41) マンション管理 (41) アパート管理 (40) 住み替え・買い替え (39) 手順 (29) 売買契約 (29) トラブル (28) 相場 (27) 査定 (24) リスク (23) ポイント (23) タイミング (22) 一括査定サイト (21) 建築 (20) インタビュー (19) 空き家 (19) 確定申告 (17) 移住 (16) 譲渡所得・損失 (14) 控除 (14) 書類 (13) 賃貸併用住宅 (13) 仲介手数料 (12) 競売 (12) 期間 (12) 媒介契約 (11) 共有持分 (11) 利回り (10) 種類 (9) 抵当権 (9) リフォーム (9) 保険 (7) 空室対策 (6) 登記 (6) 資格 (5) 工法 (5) 選び方 (5) 節税・減税 (5) 不動産投資 (1) 資金調達 (1) 老後 (1) 生活保護 (1)リビンマッチコラムを引用される際のルール
当サイトのコンテンツはどなたでも引用できます。 引用にあたって事前連絡などは不要です。 コンテンツを引用する際は、引用元が「リビンマッチ」であることを明記してください。
引用ルールについて