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住宅ローン返済中に転勤命令!家は空き家・賃貸・売却のどれが正解?

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住宅ローン返済中に転勤命令!家は空き家・賃貸・売却のどれが正解?

新型コロナウイルスの流行により、リモートワークが普及し、転勤の必要性も大きく変化しました。

リモートスタンダードと称されるように、勤務地を自宅とし、会社への出勤を出張扱いにする会社も増えています。一方で、接客業や生産業に従事する場合は、リモートワークが適さないため、会社の方針により転勤を命じられることも珍しくありません。

企業によっては、転勤を積極的に取り入れている一方で、反対に消極的な場合もあり、2極化の傾向があります。

また、新型コロナウイルスの流行により「おうち時間」が見直され、住宅購入に踏み切った人もいるかもしれません。しかし、住宅ローンを組んだ途端に転勤命令が出たケースもあります。

住宅ローン返済中に転勤が決まったら何に注意すべきか、一つひとつ問題を見ていきましょう

住宅ローン返済中に転勤が決まったらどうなる?

転勤が決まったら、返済中の住宅ローンはどうなるのでしょうか。特に住宅ローン控除を受けている人は、受けられなくなる可能性があるため注意が必要です。

忘れがちだけど金融機関に相談が必要

家を所有している会社員が転勤を命じられた場合、以下のように考えるべきことがたくさんあります。

  • 家族を連れて行くのか、単身赴任するのか
  • 家を空き家にするのか、賃貸化するのか、売却するのか
  • 新しい住居をどうするのか

考えるべきことの中で、住宅ローンを借り入れている金融機関へ相談することが、失念されがちです。正確には、転勤する際に金融機関へ相談が必要と思っていないケースが、ほとんどではないでしょうか。

金融機関と締結している住宅ローン契約書の条項に「本人または家族が生活する家に限る」や「本人が住むための家に限る」と記載されている場合は、単身赴任または住宅ローンの一括返済が必要です。

とはいえ、転勤を命じられた結果、仕事を辞めるか住宅ローンを一括で返済するかの選択をいられるのは、あまりに酷であり現実的とはいえません。そのため、金融機関もある程度の配慮をする傾向にあります。ただし、それはあくまで相談された結果の判断のため、転勤が決まったら必ず金融機関に相談しましょう

住宅ローン控除を受けられない可能性がある

転勤によって、住宅ローン控除を転勤によって受けられなくなる可能性があることを理解しておきましょう。

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除は、正式には「住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除」といい、住宅ローン減税とも呼ばれます。住宅ローンを利用して住宅を購入したり、新築したりすると、一定期間、所得税や住民税が控除されます。

古くは1972年に制定された「住宅取得控除」が始まりで、当初は購入後3年間にわたって購入金額の1%にあたる税金が控除されました。

その後、何度も制度の見直しが行われ、また幾度いくどとなく住宅ローン控除の終了が決定と延長を繰り返して現在に至っています。

余談ですが、住宅販売を行う不動産会社の営業担当者からすると、「住宅ローン控除が使えるいまが買いどきですよ!」というセールストークを何年にもわたり使用ができているため、ありがたい制度延長のようです。

現在、住宅ローン控除の制度が適用される要件は、以下のとおりです。

  • 控除を受ける世帯が引き渡し日または工事完了日6カ月以内に自ら居住する
  • 住宅ローンの借入(返済)期間が10年以上である
  • 控除を受ける人の所得が2,000万円以下である
  • 対象の住宅の床面積が50平方メートル以上かつ2分の1以上が自身の居住用(店舗などではない)である
  • 長期譲渡所得の課税特例などを居住した年を起点として前後2年、計5年間適用されていない

簡単に言い換えると、「2,000万円以上の給与を受けておらず、50平方メートル以上の家を購入し、10年以上のローンを組んだあと、速やかに入居している人」が対象です。

なお、中古で購入した場合は、新耐震基準に適合している必要があります。

住宅ローン控除の金額例

住宅ローン控除の金額は、入居した年度、また住宅の評価基準などにより異なります。現在の制度では、借入額の0.7%が13年間にわたり控除されます

たとえば、2023年に居住した長期優良住宅※1または低炭素住宅※2であれば、以下のどちらか安いほうの金額が税金から控除されます。

  • 借入限度額5,000万円 × 0.7%=35万円
  • 住宅ローン残高 × 0.7%

たとえば、2023年に居住した長期優良住宅で年末の住宅ローン残高が4,000万円の場合、控除額は以下のとおりです。

住宅ローン控除額=4,000万円 × 0.7%=28万円

参考:国税庁「No.1213 認定住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)

要件が多いため複雑に見える住宅ローン控除ですが、計算式自体はシンプルなため、条件がわかれば自分でも計算しやすい仕組みです。

2016年を起点として取り扱いが異なるので注意!

住宅ローン控除は、2016年4月の制度改正前とあとで決定的に異なる点があります。

それは、住宅ローン控除を受ける人が「居住者(日本で生活する人)」から「個人」に変更されたことです。2つの決定的な違いは、海外への単身赴任により、家族が住むことで住宅ローン控除の対象となるのかどうかです。

2016年4月1日以降に住宅ローンを組んで家を購入した場合、海外への単身赴任で海外に行く場合でも住宅ローン控除の対象です。しかし、それ以前の場合、海外赴任は対象外になる点に注意が必要です。

転勤に伴い住宅ローン返済中の家はどうする?

住宅ローンが残っている場合、家をどうすればよいのでしょうか。空き家にして戻ってくるまで所有だけするのか、賃貸として貸し出すのか、はたまた思いきって売却するのかは判断が難しいところです。

この選択肢には明確な正解がありません。どの選択肢も一長一短であり、それぞれの環境や条件などにより、適切な回答が異なるためです。

管理しなければならないという問題を考えると、売却が最善に感じますが、1年、2年で戻ってくる可能性もゼロとは言い切れません。そのため、よりよい選択をするには、さまざまな条件を検討することが重要です。

転勤に伴う住宅ローン返済中の家の扱い
空き家にする 賃貸化する 売却する
注意点 防犯上のリスクや建物の価値低下のリスクがある アパートローンなどに変更する必要がある 住み替えローンの場合は金利が高くなる
向いている人 転勤が短期間であることが確定している人 将来的に家を取り戻したい人 管理の手間や時間をかけたくない人

転勤で空き家にするのはリスクが高い

1年後に転勤先から戻ってくることが確定しているのであれば、空き家という選択肢もあります。しかし、空き家にすると、さまざまなリスクがあるため、あまりおすすめできません。

  • 不審火や泥棒
  • 戸建てであれば不法投棄の被害
  • 水道を使用しないことによる水道管の劣化
  • 空気循環が不十分なため湿気によるカビの発生

このように、防犯上のリスクや、いわゆる「部屋が傷む」という問題があります。

また、住宅ローン控除の対象外になったり、そもそも金融機関から一括返済を迫られたりするリスクなどがあります。そのため、転勤が短期間であることが確定している場合を除き、空き家にするのは有効ではないのが実情です。

ローンを変更して賃貸化する

賃貸化のメリットは、家を所有したまま、入居者にある程度の管理を任せた状態で家賃収入を得られることです。

収入の柱が会社からの給与とは別にできるため、住宅ローンの支払いにゆとりができますし、節税効果も期待ができます。もし、住宅ローンの残高と維持管理費用よりも多額の家賃収入が得られた場合は、利益につながります。

ただし、住宅ローンはあくまで本人および家族が居住するためのローンであり、賃貸化した建物では使用できません。賃貸マンションの場合、アパートローンなどに変更する必要があり、住宅ローンと比較して利息が高くなります。

黙って賃貸にしようと考える方も少なくありませんが、金融機関が調査すれば必ずバレるものです。その場合、契約違反となり高い罰則を命じられるおそれがあるため、金融機関に相談しましょう。やむを得ないと認められれば、そのまま住宅ローンを利用できるケースもあります。

なお、将来的に家を取り戻す可能性を考えると、入居者との契約は、一定期間が経過したあと、自動的に契約が解除される定期借家契約がおすすめです。

売却して心機一転する

住宅ローン返済中に転勤を命じられた場合、思い切って売却を検討するのもおすすめです。せっかく購入した家を手放すことは勇気と割り切りが必要ですが、空き家や賃貸として維持する場合と異なり、管理の手間や時間が発生しません

住宅ローンの残高より高く売却できた場合は、それまでマイホームで暮らしながら家賃を支払っていたと割り切れるでしょう。

また、転勤先で新たに家を探して、心機一転するのもよいかもしれません。

売却時には住宅ローンをなくすのが基本

売却する家に住宅ローンが残っている場合、売却価格が住宅ローンの残高より高くなれば問題はありません。反対に、売却価格が下回った場合は、その分を現金で支払って住宅ローンを完済することが基本です。

そのため、早い段階で不動産会社に査定を依頼しておくとよいでしょう。

住み替えローンに借り換えは利息増の可能性

もし売却価格が下回った場合でも、住み替えローンに乗り換えすることで金融機関に認めてもらえることもあります。住み替えローンとは、いまの家の住宅ローン残高と新しい家の住宅ローンを併せて借り入れられるローンです。

ただし、アパートローンと同様で、住宅ローンの低金利と比較すると、どうしても金利増となる点は否めません。

また、新たに転勤先で購入した住宅のローンも追加されるため、月々の支払いが増加する可能性が高いため、注意が必要です。

転勤が決まったら家を査定して計画を立てる

転勤に伴い家をどうするのかは、多くの人が悩む問題です。さまざまな選択肢を持つことが重要なため、早い段階で査定依頼をするとよいでしょう。

不動産の一括査定サイト「リビンマッチ」を利用すると、一度の手間で複数の不動産会社から査定結果を無料で受け取れます。現在の不動産市場は高騰傾向にあるため、思いもよらない高額査定をされるかもしれません

このような可能性を探っていくことが、転勤における家の問題を解決するために重要な手段なのです。

住宅ローン返済中の転勤に関するよくある質問

住宅ローン返済中に転勤が決まったらどうなる?
金融機関と締結している住宅ローン契約書の条項に「本人または家族が生活する家に限る」や「本人が住むための家に限る」と記載されている場合は、単身赴任または住宅ローンの一括返済が必要です。ただし、金融機関もある程度の配慮をする傾向にあるため、転勤が決まったら必ず金融機関に相談しましょう。また、住宅ローン控除を転勤によって受けられなくなる可能性があることを理解しておきましょう。
転勤に伴い住宅ローン返済中の家はどうする?
賃貸として貸し出すのか、空き家にして戻ってくるまで所有だけするのか、もしくは売却するのかを検討する必要があります。どの選択肢も一長一短であり判断が難しいですが、空き家や賃貸として維持する場合は、管理の手間や時間がかかるため、思い切って売却を検討するのもおすすめです。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

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