ホームステージングとは?したら高く売れる?利点と欠点、注意点を解説

ホームステージングとは不動産を売却する際に、家具や小物、照明などで部屋をモデルルームのように装飾し、潜在的な購入検討者に魅力を伝える販売手法です。部屋の魅力はもちろん、購入検討者に実際の暮らしをイメージしてもらいやすくなります。
ホームステージングを行うと、不動産を高値で売却できる可能性がありますが、それなりに費用もかかるため実施するか迷うところです。
本記事では、不動産を高く売るためにホームステージングを実施するか判断するために必要な情報をまとめました。不動産の売買経験、コンサルティング経験をもとにしていますので、ぜひ参考にしてください。
もくじ
ホームステージングとは
新築マンションのモデルルームやハウスメーカーの住宅展示場を見学したとき、室内がセンスのよいインテリアで統一されていて「こんな家に住みたい」と思われた方もいるでしょう。それが、ホームステージングの効果です。
日本と比べ中古住宅の流通が多い欧米では一般的に採用されている手法ですが、日本でもホームステージングの利用件数は、年々増加傾向にあります。
ホームステージングは、中古マンション、中古戸建てで実施される割合が多いですが、新築一戸建てや新築マンションでも利用されますし、空き家だけでなく居住中の物件にも活用されます。
出典:一般社団法人日本ホームステージング協会「ホームステージング白書2021-2022」
ホームステージングの効果
売却時にホームステージングを利用することで、どのような効果が期待できるのか具体的に解説します。
購入後の生活がイメージしやすい
ホームステージングで家具や小物を配置し生活空間を演出することで、何もない空間より、購入後の生活や家具のサイズ感、色などがイメージしやすくなります。
また、案内時に具体的なライフスタイルを提案することで、内覧時間も増え、購買意欲の高まりが期待できます。
多くの人に受け入れられやすい空間を演出できる
居住中の物件は、どうしても住んでいる人の生活感が出やすくなります。内覧時に室内の状態が普段のままだと、「購入後の生活がイメージしにくい」「理想と違う」といったマイナスの印象を購入検討者が持ってしまう心配があります。
しかし、ホームステージングによって、売主の生活感を消したり、少なくしたりすることで、より多くの購入検討者に受け入れられやすい空間を演出できます。
ホームステージングによる売主のメリット
このような効果が期待できるホームステージングですが、売主にとって、どういったメリットがあるのでしょうか。
集客数、内覧希望者が増える
まず、集客数や内覧数の増加が期待できます。
最近の集客方法はSUUMO(スーモ)などポータルサイトをはじめ、不動産会社のホームページやSNSを活用するのが主流です。
そのため、ホームステージングで演出された空間の画像や動画を掲載することで、物件の魅力や生活するイメージをよりアピールしやすくなり、他物件との差別化にもつながります。
「ホームステージング白書2022」の調査結果においても、ホームステージングの活用によって、閲覧数から問い合わせ数、内覧者数に至るまで「大幅に増えた」「少し増えた」という回答が7〜8割を占めています。
売れにくい物件が売れやすくなる
ホームステージングによって、売却しにくい物件が売却しやすくなる点が挙げられます。特に、購入者が自ら利用する居住用の不動産については、内覧時の第一印象が重要です。
たとえば、居住中の物件や家財が残ったままの物件だと、売主の方の生活感が感じられ、売れにくい場合もあります。
しかし、ホームステージングは、ホームステージャー※やインテリアコーディネーターの資格をもった専門家によって、物件の状態やターゲットに合わせた演出ができます。
「ホームステージング白書2022」の調査結果でも、ホームステージングを実施する基準として、以下のような売れにくい物件に対して活用する事例が多く見られました。
- 売却困難な物件に実施する:39%
- 長期売却できない物件に実施する:25%
短期間でより高く売却できる
ホームステージングは、成約までの期間を短くできるのがメリットです。販売期間が限られている場合、通常の売却方法だと期限までに間に合わないことがあります。
しかし、ホームステージングを活用して集客、内覧者数が増えると、成約までの期間が短くなりやすいです。
また、短期間で内覧者数が増えることで買主同士での競争も起きやすくなり、高値売却につながりやすくなります。
下記は「ホームステージング白書2022」の調査結果による、ホームステージングを実施した物件が成約するまでの期間の割合です。
- 1カ月以内:35%
- 2カ月以内:26%
- 3カ月以内:25%
さらに、ホームステージングを実施する前と比べ、成約までの期間が短くなったという結果も出ています。
- 成約までの期間が大幅に短くなった:31%
- 成約までの期間が少し短くなった:48%
一般的には、不動産会社から販売期間として3カ月以内で売却できる売り出し価格や販売方法が提案されることが多いです。調査結果をみると、ホームステージングによって販売期間の短縮につながることがわかるでしょう。
ホームステージングによる売主のデメリット
ホームステージングを実施する方法としては次のようなケースが考えられます。
- 売却を依頼した不動産会社が実施
- ホームステージング専門の業者が実施
- 売主自ら実施
デメリットとして考えられるのは、費用や手間、時間がかかることです。
「ホームステージング白書2022」の調査によると、ホームステージングにかけた平均金額とその割合は下表のようになっています。
ホームステージングにかけた平均金額 | 割合(%) |
---|---|
5万円未満 | 10 |
5~10万円未満 | 14 |
10~15万円未満 | 16 |
15~20万円未満 | 23 |
20~30万円未満 | 23 |
30~50万円未満 | 11 |
100万円以上 | 3 |
40%が5〜15万円未満、46%が15〜30万円未満の金額内におさまっています。なお、ホームステージングの費用は売却を依頼した不動産会社が負担するケースもあります。
また、ホームステージングを実施する場合、費用だけでなく、家具や小物の搬入、部屋の片付けや掃除、不要な家具の搬出などの手間や時間が必要な場合があります。
【不動産を高く売るために】ホームステージングの注意点
ホームステージングを活用する場合の注意点について解説します。
ホームステージングの費用対効果を考慮する
ホームステージングの目的は、より高く、より早く、より確実に売却を実現することです。ですので、特に費用や手間がかかる場合は、本当に実施する必要があるかをしっかりと見極める必要があります。
ホームステージングを活用することで、下記のようなメリットが得られる場合は活用する意味があります。
- かかる費用以上に高値で売却できる
- 売却が難しい物件が売れやすくなる
売却を依頼する不動産会社と下記のような項目をしっかりと相談しながら、ホームステージングを実施するかどうか決めましょう。
- 部屋のイメージはどれくらい変わるか
- 集客数や内覧者数は増えそうか
- 売却価格に影響しそうか
形だけのホームステージングを提案する会社を避ける
ホームステージングは、単に家具を配置して見栄えを変えるものではありません。部屋や間取りの特徴、購入者層に合わせた演出、提案をすることで、集客数を増やし、高値売却につなげることが目的です。
一方、ホームステージングは不動産会社からすると、競合他社との差別化を図る手段でもありますので、単に売却の依頼を獲得するために形だけのホームステージングを提案する会社は、避けなければなりません。
ホームステージングを有効活用したい場合、その効果やメリットをしっかりと提案、実践してくれる会社かの見極めも大切です。
ホームステージングを利用したい場合、サービスを提供する不動産会社を探しますが、ホームステージングの対象となるエリアや物件、価格などに違いがあります。さらにホームステージングを、どの程度売り出し価格へ反映するかも、会社によって異なります。
そういう意味では、不動産の一括査定サイトリビンマッチを利用し、複数の不動産会社を比較して、ホームステージングにかかる費用や売り出し価格などを判断して、どの会社に依頼するか判断するのもよいでしょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
編集してください:リビンマッチでは不動産売却や賃貸管理、土地活用をはじめとする不動産取引をサポートするサービスを提供しています。また、複雑な不動産取引をわかりやすく解説し、利用者が安心してサービスを利用できるように努めています。不動産取引でわからないこと、不安を感じていることがあれば、ぜひリビンマッチをご利用ください。
コンテンツの引用ルール運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
人気ワード
マンション売却 (133) 戸建て売却 (107) 注意点 (102) アパート/マンション経営 (61) メリットとデメリット (55) 価格 (54) 税金 (52) 不動産会社 (51) 基礎知識 (50) コツ (49) 相続 (47) 土地売却 (44) ローン (42) 費用 (41) マンション管理 (41) アパート管理 (40) 住み替え・買い替え (39) 手順 (29) 売買契約 (29) トラブル (28) 相場 (27) 査定 (24) リスク (23) ポイント (23) タイミング (22) 一括査定サイト (21) 建築 (20) インタビュー (19) 空き家 (19) 確定申告 (17) 移住 (16) 譲渡所得・損失 (14) 控除 (14) 書類 (13) 賃貸併用住宅 (13) 仲介手数料 (12) 競売 (12) 期間 (12) 媒介契約 (11) 共有持分 (11) 利回り (10) 種類 (9) 抵当権 (9) リフォーム (9) 保険 (7) 空室対策 (6) 登記 (6) 資格 (5) 工法 (5) 選び方 (5) 節税・減税 (5) 不動産投資 (1) 資金調達 (1) 老後 (1) 生活保護 (1)リビンマッチコラムを引用される際のルール
当サイトのコンテンツはどなたでも引用できます。 引用にあたって事前連絡などは不要です。 コンテンツを引用する際は、引用元が「リビンマッチ」であることを明記してください。
引用ルールについて